ハッカー検事

■金曜は暗号と倫理の授業

倫理は、先生が今まで読んだ本の紹介 みたいな内容でした。ITが社会に与えた影響に関する話。

 

産業革命は肉体の拡大、IT革命は精神の拡大、なんてよく分からないことを言われていました。…確かに、蒸気機関によって人は肉体で出来ること以上のことを出来るようになったわけですが、だったらIT革命も同じことでは…。コンピュータやネットワークは脳みその補助となったりコミュニケーションを強化するもので、肉体の拡大にすぎないのでは?精神の拡大って何だよ…。

 

と思いつつ自分に当てはめると、例えばmixiを利用するようになって自分の何が変わったか?mixiを始めたのは、4年くらい前。その頃から比べると、mixiをきっかけにして、友人が増え、趣味が増え、行動範囲が広がった。これは、肉体の拡大?…どちらかというと、やはり精神の拡大と呼べるものか。

 

今こうしてブログを書いていることは?ITが無ければ、インターネットがなければ、日記を書いて公開しようなんて思いもしなかった?それが、ITをきっかけに、思うようになった?これが精神の拡大なのだろうか…。

 

■土曜は監査とハッキング+今日は他大学と連携の研究会。

経産省の支援のもと、うちの大学院とT大の大学院とC大の大学院、そして幾つかの企業が連携して、産学連携の研究会を組織しています。

自分はそこの法制・倫理分科会というのに所属していて、その会の2009年度第一回会合に参加してきました。今回は勉強会という感じで、ハッカー検事の通称でおなじみ(?)の某検事さんに来て頂いて、ハイテク犯罪 に関してご講演を賜りました。

 

…感想としては、そんなもんか ってところ。

いや、この検事さんは、ITに関してとーっても詳しく、今回お話頂いた内容も知らないことだらけで大変勉強になったのですが、…訊いたところによると、最近のハイテク犯罪について造詣が深い検事は「自分くらいだろう」とのこと。法曹界のITレベルは、かなり残念な状況の様子。

 

警察や検察はまだ良いと。組織的に教育できるから。そういう取り組みもこの検事さんはされているとのこと。確かに、犯罪がハイテク化されていくのに、捜査当局が追いついていかなかったら困るし。しかしながら、弁護士、裁判官のITレベルは…。

弁護士さんは基本的に個人営業なので、中には勉強熱心な(ってか必要に迫られて?)ITに詳しい人もいるけれど、弁護士界全体で見るとスキル不足は否めない様子。そして、裁判官はそれに輪をかけて…。

だからと言って、こういう検事さんら行政側から司法に対して働きかけることは出来ないとのこと。いわゆる司法の独立ってやつで?実際、参加者・検事さんから体験談も語られました。トンでも弁護士。なにいってんだ裁判官。

 

それでいいのか日本の法曹界。これからのハイテク犯罪に対応できるのか?市民の安全は守られるのか!?

ちょっとまだ自分では問題を定義できないですけど、漠然と何かがイケない気がしました。

ある意味ではビジネスチャンスの面もあるけれど、ビジネスではどうにもならない面もある気がしました。